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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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化石になった骨は残りにくい

『古代日本はどう誕生したのか』(豊田有恒著)では日本人の祖先はいつから日本列島に住んでいるのかという問に、宮城県の馬場壇遺跡で発掘された石器に象の脂肪酸が付着されていることから、旧石器時代に日本人が日本列島に住み着いていたとしている。実はこの遺跡は宮城県上高森遺跡とともに日本史を揺るがした、「前期旧石器時代捏造事件」の舞台となったところだ。この捏造事件以来、日本の旧石器時代はよく分からなくってしまった。

日本は火山性の土壌のため酸性が強く、化石になった骨が残りにくいのは事実で、石器の発掘のみが頼りというのは間違いのない事実だろう。しかし、日本列島に住んでいたのが私たちの先祖ということが出来るのか。あるいは、旧石器時代から日本人がいたなどということがあるのか。日本人はいつから存在したのか。難しい問のようだ。

豊田さんは日本人の祖先として明らかなのは縄文人だという。なぜ日本人の祖先にこだわるのか。民族としての自信と関係があるのだろうか。さらに世界で初めて土器を作ったのが縄文人だとしている。世界で初めてというのが自慢なのか、あるいはそれは事実なのか。
縄文時代を命名したのはモースだ。彼は大森貝塚を発見し、そこから出土した土器を「コードマーク」と呼んだ。コードつまり縄、マークつまり痕ということで縄文という名がついたのだ。

モースは、世界の古い遺跡には日本と同じ土器が出土し、日本でも土器が出土するということは、日本にも世界と同じように古い時代があったということを言いたかったのだろう。世界で初めて土器を作ったのが縄文人だと言ったわけではないと思う。
by qzr02421 | 2009-03-15 08:31 |