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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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なぜ人々は他人を信頼するのか

安心と信頼とは違うものなのだろうか。違うものという観点で書かれた本がある。『信頼の構造』という本だ。山岸俊夫著だ。この本のメッセージは「集団主義社会は安心を生み出すが信頼を破壊する」というものだ。集団主義社会というのは、かつても村のようのものだ。

かつての村は鍵をかけずに生活をしていた。村での生活は何も心配のいらない安心した関係を持っていたということだ。これを安心を生み出すというのだそうだ。この村の村人ではない人が来たとすると、その人との信頼関係を構築するのは難しいというのだ。安心できる関係には信頼という言葉は必要がないし、安心できない関係の中にこそ信頼という言葉が必要になるということだ。

不安定の関係の中にこそ信頼という言葉が必要で、そこには信頼に値するかどうかという観察眼が必要になるのだ。安心の関係には信頼は必要ない。このあたりにオレオレ詐欺に引っ掛かる人の秘密が隠されているような気がする。

不安定な関係の中で、信頼する関係を作ろうとする人と、相手を疑う人とどちらが利益を得ることが出来るのだろうか。このアプローチには社会学的なものと心理学的なものがあり、社会学的には「なぜ人々は信頼に値する行動をとるのか」、それは「信頼された方がその人の利益になるからではないか」というように考える。

それに対して心理学的には「なぜ人々は他人を信頼するのか」という問いを持つのだ。利益に対する答えは出るが、心理学的な問には答えがでないというのが結論のようだ。とことで「信頼する人間」と「相手を疑う人間」とどちらが利益を得るのだろうか。

囚人のジレンマという実験では、「相手を信頼する人間」が多くの利益を生むという結果がある。詳しい話はこの本を読むのがよいだろう。面白いのかそうでないのかよく分からない本ではあるが・・・
by qzr02421 | 2008-11-13 08:17 |