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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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先入観というものを排除して歴史を見る

笠原和夫の『昭和の劇』は、605ページの大著だ。時代劇の逸話、任侠映画の逸話、戦争映画の逸話などが満載だ。映画が好きな人にはたまらない本だ。任侠映画は単なるやくざ映画ではなく、当時の社会の様子を描いているのだ。

四日市の公害とヤクザの関係を描いた任侠映画などあり、黒沢の「7人の侍」のような悪と戦う武士というのと、悪と戦うヤクザ?という思いがあるとういうことだ。戦争映画では東条英機は悪く描かれることが多いが、実際の彼は、その時代をよく理解した人物だいうのだ。

それに対して山本五十六のほうが、当時の時代を理解していなかったとも書かれている。真実はよく分からないが、東条悪で山本善というイメージを歴史を見てはいけないということは事実だろう。東条は巣鴨でも立派な行動をしていたという。

特攻とほとんど成果がなかった、半分くらいの飛行機は、理屈をつけて引き返してきたと言うことも書かれている。タイトルは「敵艦に突っ込んだ特攻機なんて100機中1機もない」というものだ。歴史は、なんとなく知っているようだが、実は本当のところはよく分からないのだろう。先入観というものを排除して歴史を見ることの難しさを感じる本だった。
by qzr02421 | 2008-09-13 15:19 |