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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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天井から覗かれる?

「最近物騒になってきた」という会話をよくきく。殺人、泥棒、変質者、引ったくりなどが多くなってということがその内容のようだ。「最近」というのは何時と比較してのことだろうか。

人間は、「自分の周りにあるだろう経験」と比較して「最近」という言葉を使っているように思う。犯罪は第二次世界大戦後にピークに達し、その後は減少しているというのが統計上の判断らしい。戦争中は犯罪は多いのだろうか。統計がないことは分からないことが多い。

犯罪は急に増えて、変質者が増えたのではなく、平和が続き、そのような犯罪が目立つのではないだろうか。ニュースで「屋根裏に住みついた女性という」のがあった。そんなことが実際あるのかという事件だ。空き巣に入り、その家の状況を知り、留守が多いということで住み着いたらしい。

住人がいるときには、トイレが我慢して、住人が出かけたら、トイレをすませ、冷蔵庫からモノを出して、食べていたらしい。住人がモノが減るのがおかしいと、監視カメラをつけ、御用のなったという事件だ。

江戸川乱歩の『屋根裏の散歩者』を思い出される事件だ。この作品は屋根裏に住んでいる人物が、天井から下の住民の生活を覗くというものだ。覗かれるという気持ち悪さで成立している話だ。誰もいない部屋でくつろいでいる人を覗く人という設定だ。映画かもされている。

『人間椅子』という作品もある。椅子の中に人間が入っていて、その人間の上に人が座るというものだ。椅子の中の人物が座っている人も体を包むというのだ。椅子の中に人がいると想像すると気持ちが悪い作品だと思う。

このような作品が明治から大正そして昭和の初期に書かれていたのだ。実の変質的な作品多い。江戸川乱歩の作品を読めば、変質的な人が昔からいたということが分かる。人間の本質はそんなに変らないということだ。
by qzr02421 | 2008-05-30 11:08 |