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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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心理療法にこの説をあてはめるとどうなるのか

『戦略思考ができない日本人』をさらに続ける。日本と西欧の基本法則を比較している。第一法則「作為の法則」対「自然(じねん)の法則」、第二法則「戦略の法則」対「慣性の法則」、第3法則「契約・再契約の法則」対「「作用・反作用の法則」だ。

 「作為」とは「ことさら手を加えること」、「自然」は「おのずからそうあること」という定義だ。作為は個の主張であり、自然は周囲に溶け込むことだ。周囲に溶け込んで一体感を生じさせることにより情緒を共有して連帯するのが日本人ということだ。

 「人は城、人は石垣」のことばのように、人が日本では重要なのだ。作為があったとても、それをむき出しにしない工夫をしたのだ。人工物でも自然(しぜん)を装うのだ。それが日本庭園となる。「自然に溶け込む」のが日本文化の伝統だ。滅びる時にも「自然に朽ち果てる」のだ。これに対して西欧は、石を基本として人工というものを全面に出している。滅びる時は「廃墟」として残るのだ。

 心理療法にこの説をあてはめるとどうなるのか。日本人の心は要塞化されていないとなる。(日本人の自我はおとなしい悪く言えばか弱いということ)日本の心理療法は自然を根本理念としている。森田療法の「あるがまま」、内観療法の「すなお」がそれだ。それに対して西欧の心理療法は人間の心ないし行動を操作しようとする志向が強い。

 西欧が傷ついた自我を操作して再構築しようとするのに対して、日本は自我を「はかなさ」とその延長線上にある「無」と一体化させることで癒そうとするのだ。西欧の精神分析の用語が戦争や革命で使用される用語がキーワードのなっている。「抑圧」は弾圧や鎮圧の意味であり、抵抗はレジスタンスなのだ。
by qzr02421 | 2008-04-05 06:45 |