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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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「ナイロビの蜂」という映画

だいぶ前に見て、印象に残った映画、劇を思い出した。最初は「ナイロビの蜂」だ。

「ナイロビの蜂」という映画は、ケニアで妻が殺され、その殺された理由を外交官である夫が探っていくという話だ。殺害の背景には製薬会社の生体実験と不完全な薬という関係が明らかになっていく。妻のことを理解していく過程が評価される。夫は妻のことを最初はあまり深く理解していなかった。夫婦といっても、なかなか内面までの理解は難しいのだろう。熟年離婚、別居婚など、夫婦の関係を見つめるには、いい映画だと思う。

話はさらに続けると、妻は夫をこの事件に関わらせたくない考えた。夫のことを愛していたからだ。夫は妻を愛しているがために、事件に関わっていくのだ。「賢者の贈り物」という話があるが、よかれと思ってした事が裏目にでるというはあるものだ。でも、よかれと思ってするしかないような気もする。夫婦は基本的に理解できないということを出発点にするほうが、気が楽になるように思う。

それにしても、夫婦の愛を描いた作品だ。それ以外は、アフリカのスラムの様子と、賄賂を取って優雅に暮らすケニアに高官という比較が印象的だ。現実とはそう言うものなのだということを、あからさまに示していた。スラムの人々への援助物資が、そのスラムの人々に届かないという現実もあるようだ。

妻のしていたことを知り、さらに妻のことをさらに深く愛するようになるというのがラストだ。美しく悲しいラストシーンであった。
by qzr02421 | 2008-03-29 06:56 | 劇,映画その他