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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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『日本という方法』を読んだ

 つれあいに先日、「今年は花粉症はどう?」と聞いたら、私は「この時期の花粉は大丈夫!」と言った。花粉は種類によって症状が違うのだろうか。しかし、今日は症状がひどそうだ。症状は急激にくるようだ。「大丈夫」と聞いたら、「大丈夫のわけない、見れば分かるでしょ」とちょっと機嫌が悪そうだ。それだけ症状がひどいということだろう。

 『日本という方法』を読んだ。著者は松岡正剛だ。彼の本は以前『世界と日本の見方』も読んだ。関係の重要性、編集の重要性をとく人だ。情報を区切るということは重要なことらしい。印象に残ったことは、「いやよして」をどう区切るか、「ここではきものをぬいでください」の区切り方だ。「いや、よして」か「いやよ、して」か「ここでは、きものを・・・」か「ここで、はきもの・・・」ということだ。区切り方で状況が変化するということだ。
 
 この話では、単純なことだが、複雑な思想も、「区切るという発想」で切ると、何か別なことが見えてくるということのように感じた。もう一つは、三つの脳の話だ。人間は「ワニの脳」「ねずみの脳」「人の脳」の三つの脳を持っているという。ワニは残忍・攻撃の脳、ねずみはずるがしこい、狡猾、自分だけは得したい脳、人の脳はその二つの脳をコントロールしているということだ。どれかが強いと、そのような性格のなるのだろう。

『日本という方法』で印象に残ったことは「うつろい」だ。「うつろい」とは全ての有為転変をあらわす言葉のことで、この「うつろい」の感覚は日本の文化の中で重要な言葉だ。無常観とも中世ではいう。日本人はどうしてこのような微妙で、寂しくも消えゆく感覚に価値を見出すのだろう。この感覚が能、水墨画、枯山水、ワビ、サビとの関連が大きくあるのだろう。

 「うつ」とは内部か空洞のような状態をさしている。この「うつ」には空洞だけど、そこの何かが宿ったり、生まれたりする生成力を持つ言葉でもある。「うつ」に漢字をあてると「空」、「全」となる。英語で言うとナッシングとエブリシングである。全く正反対の意味を持つ言葉ということだ。「ウツツ」「ウツロイ」「ウツ」という言葉には大きな関連がある。非現実な「ウツ」が「ウツツ」を通ることによって現実的な「ウツツ」になるのだ。
  
「ウツ」「無常」というと、否定的に感じるけれど、本来はそうではないということだ。「ウツ」「無常」は現実を生み出せす力、生命を持っているということのようだ。
by qzr02421 | 2008-03-16 12:19 |