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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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「歌わせたい男たち」

卒業式のシーズンも終わりに近づいてきた。以前から日の丸・君が代の問題があったが、大阪の橋下市長の動きでまたまたクローズアップしているようだ。内心の自由をどのようにとらえるべきかという問題でもある。内心の自由は、言論の自由でもある。言論の自由は心が外のあらわれるわけだから、行動の自由があるということでもある。心で何を考えていても外の出なければよいという考えは明治憲法の考えだ。君が代を歌わない自由があるというのが現憲法の精神だとおもうのだが、そのようの思わないのも、それは自由ということでもあるのだろう。

今年のシアターアーツの劇は「歌わせたい男たち」というもので、歌わせたいのはもちろん君が代、つまり国歌のことだ。卒業式当日、ピアノを弾くべき音楽講師がめまいを感じ、国歌の演奏ができないかもという事態になる。なんとか伴奏をさせたい校長、それを支持する英語教師である片桐、三年の担任なのだが国歌を歌わないし、起立もしないこと決意している社会科の教師である拝島、何を考えているか分からない養護教諭が登場人物だ。

英語教師の片桐は台本では男性なのだが、シアターアーツは片桐を女性としている。台本が男性なのだが、これを女性が演じるというのは楽しみなものだ。3月30日から4月1日までの3日間、ひまわりホールでやっている。これより前にむすび座が同じ劇をおこなうようだ。君が代を歌うことを教育委員会の強制された校長の苦悩をむすび座は描きたいということだ。シアターアーツは、校長のなったからにはそのような苦悩がないという描き方のようだ。

第二次世界大戦の問題が重くのしかかる問題だ。戦争責任と国歌・国旗の問題、愛国心と戦争の問題、いろいろ考えさせられることだ。国歌を歌ったからといってすぐ戦争になるわけではないのだろうが、国歌と戦争を結びつけるという考え方もある。愛国心と思想信条の自由とどちらが優先するものなのかという問題でもある。歴史的には思想信条の自由を優先するのだろうが、そのように考えない人の思想信条の自由もあるということも憲法は保障しているのだ。とても難しい問題なのだ。

by qzr02421 | 2012-03-20 20:00 | 劇,映画その他