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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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衣装は確かによかった

ウイリアムシェークスピア原作『テンペスト』を主演ヘレン・ミレンで映画化し、それがアカデミー賞衣装デザイン賞にノミネートされている。最近はめっきり映画を見ることなくなったが、無料招待券があったので、また、この映画以外みたい映画がないという消極的かつ消去法ということで、名演小劇場でやっているので見に行った。今日の名古屋はとても暑い一日だった。一番暑いと思われる時間、14時40分開演の時間に見た。

外は熱帯という時に、クーラーのよく効いた劇場で至福のときをすごした。映画は、確かに衣装デザイン賞にノミネートされたはずだというものだった。トーリーは原作どおりなので、これと言ったことないが、映画ならではの描き方というものはあった。今の時期の映画化する必要があるのかという疑問は持った。演劇でも見たことがあるのだが、映像的な工夫を除けば、これという作品とは思えなった。

シェークスピアの劇の特徴は、セリフだ。そのような言い方はしないだろうとうセリフまわしだ。独白は台本の地の文と言ってもよいだろう。背景やその時代の特徴を説明するというものだ。医者らしい人が登場して、「私はこのあたりの医者で、これから患者を診察に行く」などというセリフは、現代演劇はありえないものだ。

映画になっても、この独白のようなものがあり、そこまできちんとセリフを言う必要があるのかと思った。つまりセリフがくどいということだ。映画なら映画のような台詞回しでよいというのは感想だ。決してつまらない映画ではないのだ。映像も素晴らしいし音楽もよい。それでも見た感想はシェークスピアの劇を見たというものだ。映画ではなく映像つきの劇を見たということだ。ヘレン・ミレンの演技は凄まじいものがあった。一人娘のミランダ役のフェリシティー・ジョーンズの演技は素朴で好感が持てた。
by qzr02421 | 2011-07-15 19:31 | 劇,映画その他