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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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家族はもともと崩壊しているのだ

山田昌弘さんの『新平等社会』の話を続けるが、誰しも老後がある、老後は収入がない。老後生活するためには年金制度が必要だ。サラリーマンや公務員は年金で生活することができるようになっている。自営業者は、子どもがその仕事が継承することが前提で、継承した子どもがその親を扶養するため、小遣い程度の年金を政府が保証すればよいということになる。このシステムが正常に動けば問題は生じないのだ。

しかし、公務員やサラリーマンになれないで、フリーターになった子どもの出現により、その一角が崩れることになる。さらには自営業者の子どもがその仕事の継承ができない社会が到来する。写真屋などという自営業は存在することが出来なくなった。自営業者の継承が途絶えると、路頭に迷う老人が出現することになる。老後の安定を支えていたシステムが崩壊したのだ。

19世紀から今まであったシステム、つまり「家族」を中心とするシステムが崩壊しているのが現代社会ということでもある。家族というシステムはサラリーマンを前提としている。サラリーマンは男が家族を支える収入を獲得することが前提となっている。そのサラリーマンという存在が危うくなるということは家族が崩壊するということでもある。

これからの世の中は、家族といく小集団が崩壊していくのだろう。前近代のように家族を超えた集団による生活防衛が必要となるのだろが、過去に戻ることはできない。男が家計を支えるというような家族集団は崩壊することは間違いがない。専業主婦というものがなくなるということでもある。19世紀に出現した家族というものが崩壊する瞬間が近づいているのだ。
by qzr02421 | 2011-06-06 22:51 |