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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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生きることは縁をむすぶこと

「生きるということは日々新しい縁を結ぶこと、数々ある縁の中で人と人との縁は奇なるもの」といったのは瀬戸内寂聴さんだ。「思いがけない人と人が出逢い、心惹かれたり、疎ましく思ったりするものだ」と言っている。さらに「結んだと思った縁もふとしたことから切れることもあるし、切れたと思ったのは人の浅はかな考えで、一度結んだ縁は切れることはない、それが人生の恐ろしさ」とも言っている。

その人との縁を日本経済新聞で連載している。さらにそれがまとまって書籍となっている。『奇縁まんだら』である。連載は今でも続いているし、機会があれば読むようにしている。まとめて読もうと思って、図書館で探したら、人気があるようで、第一冊目のみ残っていた。連載の最初の人物は「島崎藤村」だ。昭和15年(1940年)に大曲の能楽堂で姿を見たという記載がある。

島崎藤村は昭和18年に71歳でなくなるから、昭和15年は68歳だろう。『夜明け前』が完成するのが昭和10年だから、詩人として世に出、『破戒』などで明治時代の自然主義文学を代表する作家となるのだ。藤村というと明治時代の文豪というイメージを持つが、歴史小説『夜明け前』が高い評価を受けるのは昭和にはいってからだ。

寂聴さんが藤村に会うことが出来るは奇縁だろう。次は正宗白鳥と縁を結ぶのだ。藤村より7歳若い。藤村と白鳥の年齢差をあまり考えたことがなった。歴史上の人物というイメージしかない。今の高校生は田中角栄や佐藤栄作を思い出すのと同じだ。高校から大学にかけての政治家が佐藤栄作や田中角栄だから、会ったことがないが、同時時代の人物をいうイメージはある。同時代の人物をいうイメージを持つことが出来るかどうかが、歴史上の人物かそうでないのかの違いなのだろう。
by qzr02421 | 2010-12-30 21:16 |