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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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なんとも言えない映画

「パリ20区、僕たちのクラス」を名演会館で上映中だ。ドキュメンタリーに見えるけれど、実はストーリがあるという映画だ。確かにドキュメンタリーのように見える。パリ20区にある中学校でのある教室が舞台だ。中学生に見えない、まるで高校生のようだ。

手をあげて、自分の言葉で話し、疑問の思ったことを口にするのは、日本の教育現場とはちがう。日本の生徒は間違ったこと、あるいは間違ったと思われることを言うのが恥だと思っているようだ。パリの中学校では間違っていようが、ともかく自分の意見を言うのだ。文化の違いなのだろう。

24人の生徒が登場するが、黒人といっても、アフリカ系、プエルトリコ系、モロッコ系など多様だ。中国系のフランス人もいる。白人らしい生徒もいる。アフリカ系の生徒はなんとかフランス語を話すことができるが、その母親はフランス語は話すことができない。24人の中学生で、ドキュメンタリー風の撮影で、教室でも1年を撮ったということだが、あとからパンフを見て、この子は誰?という子がいるのはどうしてか。映画にしても24人の生徒が登場すると、問題のある子、成績がよい子などが目立ってしまうのだろうか。

スレイマンという黒人の生徒が登場する。結局勉強が嫌いで、暴力行為が原因で退学になる。この生徒は最初から目立っていた。教室でふんぞり返っているからだ。大人しい生徒は印象に残らない。成績がよい少女エスメラルダも、教師に対して反抗的な態度をとるので、これも印象残る。この少女は最後にこの一年で覚えていることはという教師の問に「プラトンの『国家』と答え、内容を問われ、ソクラテスの問答法と無知の知のついて語る。反抗的だが、それなりに世の中を考えているということか。子どももそれなりの一生懸命生きようとしているが、大人である教師は今ひとつ絡まないということが分かる。子どもたちの表情がよい、教師役のフランソワも人間味があってよかった。なんとも言えない映画というのが感想だ。
by qzr02421 | 2010-07-22 20:22 | 劇,映画その他