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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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今を生きることが大切だ

裏切りの街」の話を続ける。この劇は途中休憩をはさみ、3時間を越える劇だ。「ワルシャワの鼻」は休憩梨で3時間を越える。「裏切りの街」は、人間の性という性(さが)を描いているようだ。「ワルシャワの鼻」は人間という存在の性(さが)を描いていると思う。後者は明石家さんまのギャクで、人間の笑いで悲しさを表現しているように感じた。前者は性を扱うだけに、ドロドロしたモノがあるようだ。

出演者がはだかで、本当に裸らしいが、ぎりぎりの演技をしている。全体の感じが、人生がたるいという印象を持つ。田中と秋山の会話が面白い。二人とも働かずに、田中は同棲している女性のヒモ状態だし、秋山も専業主婦なのだ。朝ゆっくりおきて、「笑っていいとも」を見るという生活なのだ。「笑っていいとも」のあとは何を見るかで話が盛り上がる。もちろんライオン提供の小堺一機「ごきげんよう」を見るという会話なのだ。実に平和な会話だ。明治大正なら高等遊民という感じか。しかし、そのような生活でよいのかとおもいながら、働くという選択肢を選ばない二人なのだ。

生きるということは、目的があるわけではない。ただ生きるということが人間に課せられた使命だとは思う。そのただ生きるということに耐えられないということがあるのかもしれない。生き甲斐が欲しいと誰しも思うのだ。しかし、人間はただ生きているだけにすぎないのも事実だろう。そのただ生きているという事実をこの劇は感じさせてくれる。ただ生きているという悲しさ、むなしさを、埋めるために関係を続けるということだろう。

人間には過去も未来もない、あるのは今だけという言葉がある。今を生きるということは生きるということなのだ。どんなにだらけていても、どんなに変な生きかたでも、生きているということには変わりはないのだ。生きているということそのものに価値があるということを、不倫という反面教師で教えてくれる劇だった。機会があれば、もう一度見てみたい劇だ。
by qzr02421 | 2010-06-20 17:48 | 劇,映画その他