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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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一緒にいて楽しい人というのは?

ベストセラーになった『おひとりさまの老後』を読んだ。上野千鶴子著だ。「長生きすれば最後はみんなひとりになる」という言葉からはじまる。結婚してもしなくても、生き残れば、最後は一人だろう。孤独死という言葉もあるが、マスコミが取り上げているだけのことでで、死ぬ時は誰でも孤独死だ。老後の一人暮らしは怖くないそうだ。そのためのインフラ整備がいるらしい。

上野さんはお金とか家のようなハードではなく、生きる智恵というソフトの面を重視しているのだ。おひとり様は女性が多いのだが、男性もいないわけではない。定年退職後の男性の特徴、とくにサラリーマン経験者は「教えられるのも好きだし、教えるのも好き」で、老人会や長寿セミナーは男優位集団だそうだ。また、老人会の男性と長寿セミナー(サラリーマン経験者)とは水と油で接点がないのだ。このような集団に女性は入っていくと、また男の顔色を見て暮らすことになるのだそうだ。男というのは厄介なものということだ。

老後はひとりでもよいが、「いっしょにいて楽しい人」がいるのもよい。一緒にいて楽しい人というのは面白い人や話題の豊富な人ではないらしい。面白い人や話題の豊富な人というのは自分からしゃべってばかりいる人のことという認識だ。「いっしょにいて気持ちのよい人」という言い方の方がよいのだそうだ。きちんと相手の話を聞いてコミュニケーションが取れる人が「気持ちのよい人」のようだ。気をつけないといけないのだ。

「これから先、死ぬまで極上のセックスだがまずいメシを食い続けるのと、毎日美味しいメシを食べれるかわりにセックスをあきらめるのどっちを選択せよ」という問に、ほとんどの人が「セックスの代わりにうまいメシ」を選んだそうだ。年をとればとるほど、食事は重要な位置を占めるということだろう。いっしょにいて気持ちのよい人との食事が老後の最大の楽しみということだ。ヒマはひとりではつぶれない、ひとりでにもつぶれないということでもある。

人は孤独だろうが、みんなが同じようの孤独ということを知ることによって、その孤独は癒されるのだと思う。孤独をまぎらすのではなく、孤独と向き合うことにより、孤独を楽しむことができるのかもしれない。」
by qzr02421 | 2010-05-05 12:14 |