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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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クリエイティブでなければならない

能楽「張良」というのは、中国漢の時代の将軍である張良が若い頃、黄石公と言う老人から「太公望秘伝の兵法の極意」授けられたエピソードを戯曲化したもの。よぼよぼの黄石公が張良に見所をみつけ奥義を伝授してあげようと提案、しかしなかなか秘伝を教えてくれない。

張良がだんだんいらついてくる。そんなある日、石公が馬の乗ってくる、張良の前に来ると左足の沓を落とす、先生は沓を履かせてくれと命じる、良は内心むっつとするが弟子の務めとして履かせる、別に日、また馬に乗った石公に合う、今度は両足の沓を落とす、また履かせろと命じる、そのとき張良は秘伝の兵法の奥義を会得するという話だ。

張良は何を悟ったのか。禅の公案である「瓢鮎図(ひょうねんず)」を思い出す。なまずを瓢箪でとってみよというものだ。答えはない?答えはたくさんある、答えを出すことに意味はない、弟子は弟子なりに勝手に悟るものと言う話だろう。師が出したなにげない問いや動作を謎かけと解釈してしまった弟子が、あれこれと考え、自らの力で奥義を得るのだ。

弟子と師の間のコミュニケーションはクリエイティブでなければならない、答えはクリエイティブではない。弟子の数だけクリエイティブな答え(答えとはちょっとちがう)がある。悟る人が、自ら悟るのだ。内田さんの答えは「謎ときの一生懸命になると負ける」というものようだ。これが唯一の正解ではないし、正解を求めることに意味はないようだ。ようするにクリエイティブというのがキーワードとなるのだ。
by qzr02421 | 2009-08-19 21:17 |