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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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未来の出来事を予想

竹村公太郎さんが『日本の文明の謎を解く』という本で、モナリザの謎を書いていたが、この他にも、水に関わる仕事から解放された女性は寿命がのびた、女性が家事から解放されると自由な時間を得ることなり(昭和20年代の主婦の家事労働時間は13時間で、現在は3~4時間となっているそうだ)そのことにより、寿命が世界一になったとしている。

また、人間がほかの動物とちがう点は、未来の出来事を予想し、その予測の基づき、現時点で不利なことでも将来のためにあえて行動する点だとしている。これは脳の前頭葉の働きのようだ。また、遊ぶということも人間の特徴であり、この二つの特徴をカラスが獲得していると論じている。

日本人が火炎土器のような実用的でない土器をつくるのは、宗教的な目的ではなく、雪降り建物に閉じ込められたためという説を書いている。雪の閉じこめられる文明は日本にしかないというのだ。その閉じこめられたことが遊びを生み、文化を生んだというのだ。芸術というものは全て遊びから生まれた。遊事を忘れると、人の文明も滅びているとしているが同感だ。

日本ではなぜ車(牛や馬がひく車のこと)が発達しないで、平安時代にあった牛車が衰退したのか。それは去勢という技術を使わなかったからだという。もちろん去勢の技術は牛や馬とともに日本にもやってきただろう。日本人は牛や馬を家族同様の暮らすことを選び、そのことが去勢をしない理由という。平安時代の絵巻物を見ると、牛車の牛が暴れる場面を描いている。結局明治まで、日本では車が発達せず、人間が自分で移動する手段を選んだのだ。大八車も人間が動かすし、明治の人力車も人間が動かすのだ。
by qzr02421 | 2009-08-16 06:17 |