本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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世の中にはどうしようもないことがある

戯曲を2冊読む。鴻上尚史の『恋愛戯曲』と宮藤官九郎の『鈍獣』だ。両方とも実際に演劇として見たいという気持ちになった作品だった。読むだけでは、今ひとつ面白さが実感できないという点も同じだ。脚本に命を吹き込むのは、役者と演出家ということだろう。鴻上さんの『恋愛戯曲』は三つのストーリーが絡むのだが、それが台本というものを通して変化していく。どれが現実かが、戯曲を読んでいると混乱してくる。

「世の中にはどうしようもないことがある」という彼の〈ごあいさつ〉の文章が印象的だ。どうしようもないことは実際にあるのだろう。それを忘れようと、現実を生きているのが人間だと思う。「世の中にはどうしようもないことがある」とつぶやきながら、人生を生きていくのが人間ということだ。主人公は谷山真由美という脚本家、その脚本家を訪ねてくるのがテレビ局プロデューサーの向山正也という設定だ。谷山は脚本が書けないと嘆く、向山に「私と恋に落ちてちょうだい」と頼む。「胸がキュンとしたら、本当の恋愛物が書けると思うに」と続ける。そこへ郵便局強盗をして逃亡中の男女が乱入してくる。

谷山のマネージャの寺田が、向山に三つの言葉を贈る。それは「臨機応変」「プロ意識」そして「虚実皮膜」だ。寺田は、この三つを人生の指針としているというのだ。この三つの言葉はこの戯曲を貫く精神のような気もした。ネタバレになるので、ストーリーはこれ以上書かないが、気になる作品だった。

もう一つの『鈍獣』は、古田新太の魅力?を感じる作品だが、戯曲を読んでいると、やはり面白みが今ひとつ感じられない。おそらく、脚本を読むスピードと、演劇のスピードが合わないのだろう。ドタバタのコントにような場面を文章で読むとちょっとね、ありえないと感じてしまうのだ。実際に劇場で見たら、面白いだろうとは思うが・・・殺しても殺しても死なない凸川という人物が出てくるが、これも、読んでいると今ひとつリアリティを感じない。是非劇場で見てみたものだというのが感想だ。
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by qzr02421 | 2009-03-12 14:33 |