人気ブログランキング | 話題のタグを見る

本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

ヨーロッパ人は上に向かい、日本人は横に向かう

日本とヨーロッパの違いの話を続ける。さらに、他のものを比べてみよう。耳飾、首飾り、指輪、腕輪など(古墳時代までの日本にもあるが、それ以後はないものだ)はヨーロッパの特徴となる。日本での装身具は江戸時代にあらわれ、かんざし、根付、印籠などで実用性が強いものだ。日本の装身具がないというのはどういうことか。さまざま説はあるが、よく分かっていないようだ。

彫刻も仏像以外ないというのも日本の特徴だ。これも古墳時代の埴輪を境にしてなくなる。室町以降は面、欄間彫刻が発達する。また、ボタン、ズボン、靴も発達していない。これも古墳を境になくなるようだ。カバンと風呂敷という対比もある。

ヨーロッパ人は上に向かい、日本人は横に向かうというように考えられる。キリスト教の天国は上にある。それに対して極楽浄土は西のかなたのあることになっている。垂直構造と水平構造といってもよいだろう。言語構造も日本語は抑揚が少ない、英語は抑揚が強いのだ。日本の文化がいつも水平であったわけではないようだ。

縄文時代は火炎土器のように、垂直性が強い。また竪穴式住居も丸い構造をしている。弥生時代は水平性が強い。土器もシンプルになり、方形周溝墓のように四があらわれる。古墳時代は垂直と水平が混在している。飛鳥時代から江戸時代までは水平性が強く、明治時代以降はヨーロッパの影響で垂直性が強くなっている。地域的にも東日本は垂直性が強く、西日本は水平性が強いようだ。以上のことは『添う文化と突く文化-日本の造形様式』(外村直彦著、淡交社)を読んで、印象に残った事柄を記したものだ。
by qzr02421 | 2009-01-26 20:32 |