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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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国体護持であり、国民の生活には関心がない

渡部昇一の『昭和史』を読む。松本清張の『昭和史発掘』を批判した本だ。なるほどという部分とこの人はどのように歴史をゆがめるのかという部分がある。陸軍で部落出身のある男が勝手な振る舞いを止めることが出来なかったという事実に対して、陸軍の軟弱さを指摘しているが、たった一つのことで証明できるのであろうか。ひどい論理と思われる。ほとんどがそのような内容だ。左翼右翼とも目が曇るという例であるような気がする。歴史の理解は難しいということかも知れない。

第二次世界大戦もしくは太平洋戦争終了後の日本については、つまり敗戦後の日本は180度方針を転換して、平和国家になった。軍隊はGHQの要請で解散した。兵隊は家に帰っていく。支配者の関心は国体護持であり、国民の生活には関心がないようだ。昭和天皇の戦争責任が争点になる。また憲法改正をめぐる問題もある。政治や社会は人が動かすという事がよく分かる本だ。100ページほど読んだ。
 
戦争といえば、「となり町戦争」という映画を思い出した。1つの行政が戦争をとなりの町を戦争をする。住民の生活には変化はないが、戦争は行なわれている。戦争の実体というのは戦争に関わっていない人にはそのように感じるということだ。どこかで戦争が行なわれているという感じである。そして戦死者は確実に出ている、どこかで人が死んでいる。あるいは知っている人が誰かを殺した、あるいは知っている人が殺されたという事実がある。道を踏み外せば、私自身も戦闘に巻き込まれて死ぬかもしれない。しかしそんなことは想像すらしないというのが戦争の実態のようだ。

国民国家になったといっても、戦争を実感できない人々というのはいるのだろう。身内に戦死者がでてもどこかで死んだという感じなのだろうか。
by qzr02421 | 2008-12-10 18:32 |