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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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言葉には二つの機能がある

言葉を分析するという学問がある。それによると、言葉は本質的のあいまいだが、その言葉の意味を聞く人は、推理して、確定していくという作業を瞬時にしているのが人間だということだ。聞いた言葉を瞬時に確定していくというところが重要なところだ。『歴代首相の言語力を診断する』東照二著を読んだ感想だ。結構面白い本だと思う。

言葉には二つの機能があるという。ひとつは事実を伝えるという機能だ。もう1つは相手を動かすという機能だ。後者の機能を重要であるということを気に止めることが重要だ。言葉によって人を動かすことが出来るということを実践した政治家は多い、ヒットラーしかり、ブッシュもそうだろう。

「~こと」という表現の多い人と、少ない人がいる。「~こと」が多いと権威的・抽象的に聞こえるようだ。戦前は「~こと」が多く用いる首相が多く、戦後は減少したようだ。戦後に「~こと」が多い首相は細川さんということだ。

結語も重要のようだ。戦中内閣に多い「~あります」、鳩山、福田(父)、細川に多い「~ございます」「~おります」「~思います」、単純明快な言葉が多い小泉の「~です」などがあるのだ。小泉は「~します」という言葉も多用しているのだ。小渕は「~いたします」、竹下は「考えます」を多用したともいう。「~まいります」を多用したのが田中角栄ということだ。

歴代首相の演説で多く出てくる言葉は「国民」「改革」「平和」「協力」「努力」だそうだ。使うことがない言葉としては「民主主義」(片山は多く使用)、「繁栄」「未来」「希望」「対話」があるのだ。

マックス・ウェーバーは「政治家必要な資質として、情熱、責任感、洞察力」をあげているが、この言葉を演説で使用する首相が少ないようだ。歴代の首相は明るい言葉が好きでないということだ。「課題」「努力」という言葉が多いようだ。「忍耐」という言葉はあまり使わないようだ。
by qzr02421 | 2008-10-19 21:56 |