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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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自信を取り戻すためには何をすればよいのか?

『日本史を読む』をさらに続ける。
・『中国近世の宗教倫理と商人精神』士大夫が没落し、商売人になっていった。―――――中国はインテリと商売人の関係がよく分からない。士大夫という存在がキーワードになるとは思う。ジェントリーと同じと考えてもよいのか。ジェントリーが近代イギリスを生み出したように、士大夫も同じ役割を担ったのか。但し異民族の支配がなければということだが・・・モンゴルや女真族の支配をどのように考えたらよいのか?

・治以後は西欧の実証主義をそのまま受け取った、むやみに自分を拘束した時代だ。―――――外来思想を受け入れるということは自分を殺すということかもしれない。日本のわび・さびを捨て、近代合理主義を受容したのだ。結果があれば必ず原因があるという近代合理主義だ。必ずしも原因は必要ないというのが日本文化ではないのか。神の仕業と言う考えもあるということだ。


・『影武者徳川家康』、影武者と言う単語は西欧にはない、その現実がないわけではない、意識されていなかったということだろう。―――――徳川家康は早い段階で死んでいた。長く支配者として君臨していたのは影武者と言う設定だ。影武者と言うことを早い段階から知るのが家康の側室たちというのが面白い。女の愛し方が本物の家康と影武者とはちがうということだ。何か楽しそうな本だと思う。

・歌舞伎は能狂言とは種類が違う、これはイエズス会のもたらした演劇を基本にしているのだろうか―――――歌舞伎の華やかさはイエズス会の演劇が由来しているという説だ。能などのワビ・サビとは異質なものが歌舞伎にはあるのだろうか。西洋演劇が歌舞伎の基本というのは楽しい発想だ。

・日本では、信は忠孝より上に位置する―――――忠孝というのは目上の人や主君に対しての徳目か。日本人は信じるという徳目が優先するということか。電車で弱者に席を譲らないということは忠孝はあまり重要な徳目ではないということか。しかし、不当表示などの事件をみると、いまの日本人は信も重要とは考えてはいないのかもしれない。

・明治の元勲は誰も自身がなかった、自信を取り戻すために横浜まで蒸気機関車に乗ったようだ。―――――蒸気機関車というのは近代の象徴だ。その近代の象徴の乗ることによって自信を取り戻すというのは楽しい話だ。あるいは男と言うのはいつも自信を回復させてくれる存在を求めているということかもしれない。男と言うのは弱い心を持っているということだろうか。

・日本は退廃的なフランスを取らずに、モラルの国アメリカを基本とした。―――――フランスは理想を追求しないようだ。右手は理想、左手はお金だったかしら?理想と源氏地を天秤にかけているということだろうか。それに対してアメリカは理想を追求する国ということだ。フランスはちょい悪る親父で、アメリカは子どもということだろか。アメリカについていくの大変なことということだろう。

・伊藤博文は宗教心はないが、殺されるとあれば、殺されるまで生きようとするだろう
・明治時代は日本の男たちは生命力しかないという状況だった
・戦国時代、荒くれ男のために茶の湯が利用された―――――男と言う存在の本質が分かる言葉だと思う。男は心は弱いが、見栄っ張りということだろう。意地を張って生きるという男の生き方が伝わることばだと思う。土地をもらえなくなったとき、茶器という宝を発明して、それをもらうことがステイタスという文化を築いた人物は偉大だと思う。

・日本の美術は道具として使われる、この道具は季節によって変えなければならない
・日本の美術品は触ることが原則だ、また書き足すことを基本としている、賛という
・技術とノウハウとはちがう、ノウハウは些細なことまでが重要となる
・日本は恋愛を至上とした。―――――日本の文化を特徴付ける言葉だと思う。日本の美術は実用品というのは素晴らしいことだ。賛という形で書き足すという文化も素晴らしいと思う。触るということも茶の湯のときのこと思うとなるほどと思う。美術を通して、生活を豊かにするという発想が日本の美の基本ということだろう。生きることを楽しむということだといってもよいと思う。

・日本は研究者の後継者がいない
・歴史は、時間の経過と、その経過を書き表した書物、実際に起きたこと、実際に起きたと伝えられていることの四つに分けることができる。―――――日本の学者は一匹オオカミのような人が多く、弟子を育てないというか、弟子を潰そうとするというか、それが後継者がいないということになるのだろう。自分を批判するものを潰していけば、後継者はいなくなるだろう。文化の継続性がないということは問題だと思う。また歴史の四つの捉え方は参考になる考えだ。今ひとつ深めたいものだと思う。
by qzr02421 | 2008-07-15 20:22 |