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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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だます人だまされる人、からかわれる人、からかう人

5月18日(日)第51回狂言「やるまい会」名古屋公演に行ってきた。場所は名古屋能楽堂だ。曲は「昆布売り」「井杭」「苞山伏」「磁石」の四作品だ。どの曲も例の太郎冠者が登場しないものだ。狂言のみで能のないものだ。

「昆布売り(こぶうり)」は家来を連れずに外出した大名(狂言では一国一城の主ではなく、関東でいう地主、関西でいう庄屋ていどの中級の武士のこと)が、たまたまであった若狭の国の昆布の行商人を家来にしようとして、刀を持たせたら、逆に、行商人が刀で大名を脅し、昆布売りの真似をさせるというもの。大名の昆布の売り声が楽しい。

「井杭(いぐい)」は、何某(町内で顔が知られている程度の下級武士のこと)のところに井杭(架空の人名、出る杭が打たれるの語源か?)が行くと、必ず頭を扇子で叩かれる。それで、清水で願をかけ、かぶると透明になる頭巾を授かる。何某が叩こうとすると頭巾をかぶる、見えなくなるので、何某が不思議がる、そして・・・

「苞山伏(つとやまぶし)」は山に来た山賊(きこりなど山中で木を切って生活する人のことでいわゆる山賊ではない)と修行の帰りにその山に来た山伏が昼寝をしていると、そこに通りの者が山賊の弁当(これが苞のこと)を食べてしまう。目覚めた山賊が弁当を食べた犯人を山伏だと思ってしまう。怒った山伏が・・・

最後の「磁石(じしゃく)」は遠近江の者が都の上る途中、琵琶湖の大津の市場を見物していると、見知らぬ男が声を掛けてくる。実はこの男は人売りだったのだ。そんなことも知らずに遠近江の男はその男についていく。そして、なぜ磁石という題なのかというと・・・

各曲とも30分くらいで、だます人だまされる人、からかわれる人、からかう人など狂言なれではの繰り返しの動作など、楽しいひとときであった。
by qzr02421 | 2008-05-19 14:19 | 劇,映画その他