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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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『漢字道楽』を読んで感じたこと

 『漢字道楽』という本がある。阿辻哲次著だ。京都大学の先生で専攻は「中国文字文化史」だ。この本を読んで印象残ったことと読んで感じたことについて書くことにする。
1994年中国で『中華字海』という字引が出版された。最も多くの漢字を収録したという。85566字が収録されている。約8万5000字だ。それ以前は『漢語大字典』の約5万4000字が最高だった。漢字とは沢山あるものだということが分かる、アルファベットは26文字しかないことを考えると、表意文字おそるべしという感じだ。(アルファベットは?や!などを入れると50種類くらい記号としてはあるらしい)

 ちなみに日本の常用漢字表は1945字が収められている。さらにちなみに、パソコンでの漢字は1978年に「情報交換用漢字符号計(JIS漢字規格)が制定され、約6500字が使用できる。常用漢字表の約三倍だ。それでも必要な字がないということがある。中国の古典に登場する人物でその規格にない字は多い。森鴎外の「鴎」はこれでよいのか?と思う。論語に使われている字は1512字らしい。日常必要な字はそんなに多くないことが分かる。それでも第二水準を探すもの大変なことだ。

 漢字は過去の文献、古くは甲骨文、金文、最近では近現代に作られた科学技術の新字までは収められている。香港、マカオ、韓国そして日本で使われている漢字も収められいる。
 漢字は表意文字だが、表音文字であるアルファベットも生まれたときは表意文字だった、Aは牛の角でありBは家の屋根をかたどった象形文字で前者は「牛」を後者は「家」を意味していた。

 雲と雲との間の放電現象について、表音文字では、「THUNDER」「かみなり」と表記するが、表意文字である漢字は今日現象である「雨」と稲妻が回転する形をあらわす「田」を組み合わせて「雷」という漢字を新たに作ったのだ。中国では元素記号を漢字で表すので、新しい元素が発見されると、新しい漢字を作るというのだ。金や銀ならよいが、ローレンシウムやルテチウムなどどのように作ったのだろか。ここに記したいが、字がないのだ。

 漢字は読みを知らなくても、意味が分かるので、筆談という形のコミュニケーションが可能だ。高校生などが、昔の人中国語や朝鮮の言葉が話せたのかという疑問を持つようだが、話せる人はいただろうか、話せなくても、コミュニケーションは出来たのだ。

 以前台湾に行ったとき、漢字があるので、大体の意味は分かった、地下鉄?に小月台という字があった、多分プラットホームのことだろう。電車やバスに乗っても、大体降りる駅は見当がつく。ヨーロッパではこうはいかないのだ。発音は分からない、地名をさっぱりという感じだ。韓国はハングルでまた分からない。旅行に行くと、勝手に歩くことが多いので、台湾は楽だった印象がある。
by qzr02421 | 2008-03-08 11:15 |