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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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『ネアンデルタールの悩み』を読む

『ネアンデルタールの悩み』
 
 ネアンデルタールが滅びクロマニョンが栄える理由について、クロマニョンが「相互関係を基本とした新しい社会構造」を作り出すことができたからだという。他人の心を読み、協力関係を築くことが出来たのである。子どもに本を読むということによって、他人は自分とはちがうという感覚が生まれるような気がする。子どもが小さい時読んだ本で、印象に残っているものがある。

 『11ぴきのねこ」シリーズ、は自由の行動するねこのトラブルを通じて、さまざまの困難を乗り越える(それほど大げさなはなしではないが・・・)ことを学ぶ(別に学ばなくてもよいが)、『のんたん」シリーズも楽しい。『はらぺこあおむし』は色が綺麗で、絵本にちょっとした工夫がある。『 ないたあかおに』はおかおにとあおおにに友情?がえがかれている。『ふんふんなだかいいにおい』こどもと通してお母さんと動物の愛?が感じられる。『ロボットカミイ』や「おしいれの冒険」も楽しいはなしだ。

 本に戻ると、男と女では空間に対する認識がちがうとのことが書かれている。男は全体で認識し、女は部分で認識するという。買い物に行っても、男と女では見ているものがちがうようだ。デパートで買い物をしていて、さっきの売り場のあれ、といっても男女では見ているものが違うので、話があわないことが多い。男性は横の広く見るので、おおざぱな商品感覚だ。女性は、奥にあるものを見る傾向があるらしい。店の奥のほう商品は男性は見ていないことが多い。おなじ人間なのに不思議なことだ。


 また善人こそ生き残るというのだ。ゲームの勝利者は、相手に協力したプログラムであるらしい。しっぺ返しという理論のだ。囚人のジレンマとおなじようなことのようだ。正義は必ず勝つとうい言葉があるが、あまり実感はない。悪い奴ほどよく眠るというのが実感だ。しかし、実際は善人、うそをつかない人が生き残っていくらしい。歴史は長い目で見れば、善人が生き残っているのかもしれない。

 さらに、子どもは、嘘により他者の考えを変えられるということに気が付かないという。相手を騙そうとするなら、相手は自分と違う考えをするということを前提とすることが必要である。相手は自分とは違うことを考え、感じていることを理解することが第一歩だ。進化では性格の悪いヤツは長生きしないものだそうだ。結局、お人よしが得をする。相手の退路を絶つと、相手も同じことをするものだ。第一次世界大戦の塹壕での戦いのエピソードが参考になるらしい。敵を思いやる気持ちが芽生えるということなのだ。相手を痛めつければ、相手が同じことしようとするようになるということで、やはり正直に生きた人が、長い歴史の中で生き残っているというだ。

 短期的には、嘘をつく人が栄えてるのは実感だが、長期的には善人の勝利ということだ。しかし人間は短期的に生きているのだ。善人は悪人かどっちを選ぼうか?
by qzr02421 | 2008-03-08 09:12 |