本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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「祈りと怪物」は面白かった

蜷川幸雄演出の「祈りと怪物」を大阪で見た。6時半に始まり終演は10時50分という大作だが、その時間を感じさせない面白さだ。楽しい話ではない。この芝居を見たハッピーになることはできない。ハッピーな気持ちなどとは異質な芝居だ。それでも長時間見ることができるのは、原作と演出が素晴らしいのだろと思う。

舞台は単純なものだった。大きな平台があるだけだ。これでどうなるのかと思ったのだが、コロス、ギリシア劇で登場する歌を歌い、この場面を説明する人たちが登場する。このコロスのラップによる芝居の説明が印象的だった。耳に残るラップだった。それ以外のセットとしたは、島舞台、墓石、教会などだった。墓石が動くのが印象的だった。客席側両袖にモニタがあり背景説明や台本のト書きや曲名を表示するのだが、二階の客席からはじっくり読むことができなかった。もっと大きなモニターだったらよかったと思った。

ストーリーは単純なものなのなのだが、見ていると実の複雑に感じるのが不思議だった。暴君ドン・ガラスと3姉妹の恐怖政治が行なわれるウイルビルという町の話だ。その恐怖政治に捲き込まれる人々と町の顛末で、人が死んでいくという話だ、死ぬ人がいれば生き残り人もいる。どうしてこの人が死んでしまった、この奴は生き残るのかという疑問を感じる。正義が勝つわけではないということがわかる。理不尽な暴君が最後まで生き残るということが、現代社会を皮肉っているような気がした。

話は単純なのだが、考えさせる作品だ。役者がどのような考えて演技しているのがが分かるような気がした。矛盾だらけの話の中で、役者と演出家が考えて、そして稽古したのだということが分かるものだった。単純な話なのだが、それでいた奥が深い話なので、それなりの深さを感じることができた。席が二階の後ろのほうだったので、大きく劇は見ることはできたのだ。それでもできれば最前列で水かかかる恐怖を味わいながら見たいものだと思った。
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by qzr02421 | 2013-02-20 19:50 | 劇,映画その他