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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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世の中は不条理なのだ

山田昌弘著の『なぜ若者は保守化するのか』では民主党政権の誕生を以下のように分析している。小泉政権の構造改革と民主党政権の誕生は同じ路線にあるというのだ。1990年代に大きな構造変化あり、それは従来の利益配分構造からはみ出る人々が増加した。従来の利益配分構造とは業界団体や企業に政府が帰省や指導をすることによって満遍なく利益を行き届かせることが出来る構造のことだ。高度成長期の年功序列賃金で終身雇用というもののことのようだ。

バブル崩壊後、これは行き詰まり、自由な経済活動をしたいという事業者が増加したのだ。自由を全面に出せば弱肉強食になるので勝ち組と負け組みが出現することとなる。従来の利益配分構造から漏れる存在は上と下に存在するようになる。儲けが限りなく多い集団つまりホリエモンのような存在とワーキングプア集団に分かれるのだ。

小泉改革は利益配分を受ける層をぶっ壊すとうことで上下の支持を受けたのだ。小泉改革では利益配分層を細らせるという成果があったが、細らせた結果、下の層が増加したのだ。上位の儲けている層、利益配分構造の正社員はそれなりの利益を得ることができたのだが、下の層つまりワーキングプア層の拡大をもたらしたのだ。

民主党政権もこの上下の層の支持で成立したとすれば、下の層をどのように救済するかがこの政権の課題となるのだ。歴史はもとには戻らないので、終身雇用・年功序列賃金に戻ることができないだろう。利益配分構造を太らすことはできないのだ。ワーキングプア層を正社員化することはできないということでもある。オランダモデルのように正社員であろうが派遣であろうが安心して働き、失業しても子どもが生まれて安心して生活できる「社会保障システム」の構築が、いまこそ求められているのだ。
by qzr02421 | 2011-06-17 17:39 |