人気ブログランキング | 話題のタグを見る

本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

分からないものは分からないのだ

絵のよさはどこを見ればよいのだろうか。見てもよく分からない絵の評価が高いと、自分の感覚を疑うことがある。世間の評価が高いからといって、よい絵なのだろうか。自分の眼を信じることから、文化の鑑賞が始まるのではないのだろか。大きなカンバスに○だけ描いてある絵画が素晴らしいのかどうか、さっぱり分からない。自分の眼が曇っているからだろうか。

文化というのは感性だろう。分からないものは、分からないでよいのではないのだろうか。松坂屋美術館で「手塚雄二」展を行っている。金曜日の午後に鑑賞に行った。そこそこの人手であった。来ている人は熱心の鑑賞をしていた。今回の展示は、手塚さんの提案で、時代順の展示ではなく、テーマ別展示であった。寂、雅、塊、謐、燦という5つのテーマだった。彼の作品は、主に風景と静物で、季節を外れた海辺や、雪の降った森の表情を鮮やかに描いている。屏風という素材を上手く使った絵画だった。絵を見ていると、その場所に行ってみたという気持ちになった。

琳派風の絵画、風塵雷神図のモチーフとした作品もなかなか、見ごたえがあった。手塚さんは道というものが好きなのだろうかと思えるような作品多かった。鑑賞していると、その絵画に道を感じるのだ。その道を歩いてみたと思える作品と、その道には入って行けないと思える作品があった。絵が暗いとその絵の中に入りたいと思えた。道の向こうが明るいと、その方向には極楽浄土でもあるような気がして、行きたくないのだ。

音楽も絵画も、年齢のよって好みが変わるのかもしれない。若いときには死ぬということが実感できないので、明るい絵画が好きなのかもしれない。年をとると、死を意識するようになるので、暗い絵画を好きになるのだろうか。暗い絵画に、自分の人生を重ね合わせるのだろうか。手塚雄二展は1月23日まで松坂屋美術館で開催している。結構好みの絵画が多くて、満足した。
by qzr02421 | 2011-01-15 21:22 | 劇,映画その他