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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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学ぶ力が学力だ

学力というのは点数のことではない。点数は学んだ結果にすぎないし、それは暗記の成果ということに過ぎない。学力というのは本来は「学ぶ力」のことを意味しているのだ。学校で学ぶことは、ほとんど答えが存在するのだが、社会現象は実は答えは存在してはいないのだ。答えとは正解のことだが、現実の問題で正解が何かが分からないのだ。議論をして、ある結論を得ても、その結論は正しい結論というわけではない。ただ話し合って決めたということにすぎない。

学校で、いつも教師の質問に、生徒が正解を答えているという教育をすると、世の中のことすべてに正解が存在すると思ってしまう。世の中分からないことばかりだ、そんなわけの分からない、世の中を渡っていくことが学力なのだろう。世の中を学ぶ力ということだ。『おせっかい教育論』という本を読んでいたら、学力とは学ぶ力とあったので、私なりのどのようなことかを書いてみたのだが、書いたことが正解かどうかは分からないのだ。

この本は大阪大学総長の鷲田清一さんと神戸大学教授の内田樹さんと浄土真宗の住職の釈徹宗さんと大阪市長の平松邦夫さんの四人の座談会を記録したものだ。変な人が四人集まって、教育とは何かを語ったものだ。最近の日本人が小粒になったのは、自分のために学問をしているからだとある、自分のための学問は自分をこえることができないというのだ。やはり自分をこえた存在のために学問をするという姿勢が大切だという。かつてはそれは国のためだったのだ。

自分より偉大のものが存在していて、その偉大なもののために働くというのが、成果をあげる働き方でもあるという。自己利益をこえたところに真理があるということだろう。教育は本来は共同体が維持存続するために実施しているもので、個人の自己実現のためではないのだそうだ。自己実現の前に共同体の維持の方が重要ということだ。この本の中に「教師はわけが分からない人の方が、生徒は成長する」という文章があった。励みになる言葉だ。
by qzr02421 | 2010-10-25 19:51 |