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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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桃山城はどこにある

安土桃山文化、安土は安土城のことだから、信長の居城だ。本能寺の変後の焼失してしまったので、現在は安土城跡しかない。それでも近年は発掘がすすんで、秀吉などの屋敷跡が見つかっているそうだ。安土城跡からは少し離れているのでというか、安土をめぐるには自転車か車で移動しないとたいへんだ。その離れているのが安土城考古博物館だ。この施設は、安土城跡、史跡観音寺城跡、史跡瓢箪山古墳、「近江風土記の丘」を紹介しているものだ。行ってみる価値はあるだろう。このようなハコモノ施設は行かないと、閉館になってしまうかもしれない。以前行ったときは、遺跡から発掘した遺物の整理などしている。地味だが大切な仕事なのだ。

桃山城などという城はない。伏見城のことで、この城は秀吉の隠居するための城だった。聚楽第から伏見城に移ったのだが、秀吉は地震に縁があるようで、方広寺の大仏も地震で壊れたが、この伏見城も地震で倒壊した。最初の伏見城は指月山に築城したのだ。このあと大坂城に行くので、桃山時代という呼び方をするのは違和感を覚えるのだ。

安土桃山文化は、どのような特徴があるのだろうか。平安文化までは貴族文化で、文化を堪能する人々の数が少なかった。少ないということはお金がかかっているということだ。豪華で存在感があり、分かりやすいのが平安文化までの特徴だ。分かりやすいということは説明しやすいということだ。これに対して室町文化は、「わび」、「さび」、「幽玄」「禅」という言葉が示しているように、説明を拒んでいるようだ。心で分かってくれというのが「竜安寺の石庭」なのだ。

室町文化は武士の文化だった、武士は貴族に馬鹿にされないように、高度な文化のフリをしたかったのだろう。貴族に説明すると馬鹿にされるかもしれないので、説明を拒否できるような文化を構成したよう気がする。その武士は力をつけた時代の文化が安土桃山文化なのだ。再び豪華になる。千利休のように質素な中に高価なものがあるという、目利きという技術を必要とする文化でもある。成金趣味でいやらしい文化とも考えることができるのだ。その成金のいやらしさを名古屋市博物館の「変革のとき桃山」展で感じたのだ。
by qzr02421 | 2010-10-02 19:34 | 劇,映画その他