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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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顕著な不変的価値

文化遺産の指定は不動産に限るとあるので、動かすことができるものは指定されない。日本の国宝の多い絵画、彫刻、刀剣などは指定されないということだ。世界遺産は不動産のみだから、モナリザもムンクの叫びの指定されることはない。建物と共に存在するフレスコ画は指定される。レオナルドダヴィンチの最後の晩餐は世界遺産に指定されているのは愛嬌だ。奈良の大仏は動かすことができないということで、これもまた世界遺産に指定されている。

古ければ世界遺産になるかというと、それは違うようだ。基準はあるのだろうが、分かりにくい面がある。シドニーのオペラハウスが世界遺産に指定されているのも、不思議なことだ。オペラハウスが完成したのは1973年のことだ。これが世界遺産でもっとも新しいものだそうだ。原爆ドームも世界遺産だが、これは原爆投下という人間の愚行を永久にとどめるモニュメントとなるのだ。

日本の国宝の考え方とは少し違った考えかたをしているのが世界遺産なのだ。文化財保護法のもとになる国宝保存法は佐竹本三十六歌仙絵巻が切断されて売り出されたことがきっかけであるし、文化財保護法は法隆寺金堂壁画の消失がきっかけだ。国宝の指定は古い事が必要となる。江戸時代以前という条件が現時点では必要なようだ。日本で一番新しい国宝は長崎の大浦天主堂なので、完成は1864年だ。

世界遺産の登録条件は顕著な不変的価値があることと保護措置が十分とられていることだ。石見銀山はその登録条件があるとして登録された。それに対して落選したのが平泉の金色堂だ。石見銀山は観光する場所が少ないので、「がっかり観光地」にも指定されたという話もある。さっぽろの時計台や高知の播磨屋橋の仲間入りしたということだ。
by qzr02421 | 2010-04-05 07:56 | 歴史