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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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二人の愛の掛け違い

演劇を見る時には、演じている誰かに感情移入して見ていると思う。自分に一番関係する人物に感情移入する場合もあれば、自分とか異なった人物に感情移入する場合もあるだろう。「オペラ座の怪人」では誰に感情移入でできるだろうか。見る人が女性でも男性に感情移入するということはありうることだ。

今回の「オペラ座の怪人」では怪人に感情移入したようだ。怪人は人殺しではある。醜い顔をしている。クリスティーヌに音楽の天使と呼ばれていた。クリスティーヌのことが好きだったようでもある。クリスティーヌもラウルがあらわれるまでは尊敬をしてたのだろう。

オペラ座にオーナーが変わることにより、この二人の関係に変化が訪れる。さまざまのエピソードがあり、ラウルとクリスティーヌは愛しあうようになる。これを怪人は逆恨みする。クリスティーヌを強引に誘拐し地下につれてくる。そこにあらわれたラウル、怪人は
クリスティーヌに私を選ぶのか、ラウルを選ぶのかと迫る。クリスティーヌは怪人にキスをして、これが私の心だという。怪人はこのキスにより、すべてをあきらめ消えてしまうということになる。

怪人のクリスティーヌへの愛は一途ではあるが、捻じ曲がったものとなっている。それ捻じ曲がった愛となったのは顔の見抜くさが原因ではなく、心の醜さとクリスティーヌは歌う。怪人に人生を考えれば、その心の醜さは、彼に責任があるわけではない。怪人とクリスティーヌはもう一度やり直すことはできないだろうが。二人の愛の掛け違いは、どのカップルにも起こりうることのような気がした。怪人に悲しさを思うと、怪人がかわいそうに思えた。
by qzr02421 | 2010-03-02 14:37 | 劇,映画その他