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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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夢を捨てることが大人か?

サリンジャーが亡くなったニュースが新聞各紙が掲載していた。翌日には新聞の一面にある、朝日新聞でいえば天声人語でサリンジャーを取り上げていた。中日新聞でも日本経済新聞でも同様な扱いだった。それだけ20世紀に影響を与えた、あるいは新聞社の論説委員になるような人に影響を与えた人物だったのだ。サリンジャーが生まれたのは1919年という覚え易い年だ。「ライ麦畑でつかまえて」の出版が1951年だから、彼が32歳のことだったのだ。

おちこぼれた人間で人から好かれていないと思い込んでいる主人公が3日ほど放浪するという話だったようにおぼている。今の若者の原点のような主人公、アイデンティティなど追い求めようというのだろうか。疎外感を持つのは若者の特権で、それを忘れることが大人になるということだろう。夢を捨てるということかもしれない。夢を捨てないと大人になれないということだろか。

広いライ麦畑で遊んでいる子どもたちが、遊びに夢中で、崖から落ちそうになったとき助けてあげられる人間になりたいということが印象的だろう。サリンジャーの死も驚いたが、北森鴻さんが山口県で心不全で48歳で亡くなったニュースの方がもっとビックリした。サリンジャーは91歳だから、天寿をまっとうしただろうが、北森さんは48歳だ。

『狐罠』、『緋友禅 旗師・冬狐堂』などの作品が好きだった。図書館で新しい作品を探すのが楽しみだった作家の一人だった。心不全は誰しも起こりうることだが、実に残念だ。今一度、彼の作品を読み直したいと思う。
by qzr02421 | 2010-01-31 11:47 |