本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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近代的不幸と現代的不幸

戦後の民主主義は戦争体験というものを基礎に出来上がった。そのため多くの思想家は愛国という観点を持っていた。また、戦争体験は人のよりちがう、東京大空襲など悲惨な体験をした人、戦争に行ったというさらに悲惨な体験をした人、田舎で飛行機が飛んでいくのを見たという体験をして人など、さまざまな体験があるようだ。その体験により戦争観がちがうということだ。

戦争を体験しない世代とのギャップもあるらしい。人は自分の体験で思想を語る。そのため、同じ言葉でも違うニュアンスで話しているということがある。小熊英二さんの『民主と愛国』を読んだ。1000ページ弱の量がある。実に面白かったが、これも当時の様子をある程度分かるからだと思う。その時代を実感できない人にはつらい1000ページになるのだろうか。

小熊さんは『1968』で近代的不幸と現代的不幸という変化を提起している。近代的不幸というのは貧困や生活苦が不幸と考えることだ。だとすれば一生懸命働き、収入を得ることができれば、その不幸は解決するはずだ。割りと簡単に解決する物質的欲望ということだ。それに対して現代的不幸は心の幸せ、心の豊かさを望むことらしい。

年末派遣村の人々は現代的不幸を感じるのなら、その貧困ということ不幸は感じないということとなる。今いる自分という存在に対して不幸を感じるということだろう。その不幸は解決することが難しいと思う。モノは手に入っても、心は手に入らないのだ。それが現代的不幸の解決を難しくしているような気がする。
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by qzr02421 | 2009-09-29 20:21 |