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本を、旅を、世の中をどのように見るのか


by qzr02421
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その人の悩みに寄り添うことが一番重要

臓器移植が、西欧ではあまり問題にならないのは何故だろうか。それは、人間機械論、あるいは物心二元論という、肉体と精神は別という考えがあるという説が有力だ。この説を唱えたのはデカルトだ。さらに、キリスト教では霊肉二元論というのが教理のようだ。霊あるいは心というソウルフルなものを大切にすればよいということだろう。

ところで肉、物という人間の体を英語でなんというのだろうか。そこで思い出すのが、つまり人間の肉で思い出すということだが、シェークスピアだ。彼の、ベニスの商人の中に、シャイロックがアントニーの肉、一ポンドを欲しいというセリフがある。そこでは、シャイロックは、「I want a pound of Antoni’s flesh.」というのだ。つまり人の肉はFLESHということとなる。ということで、ユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教は臓器移植に寛容なようだ。

では、日本の仏教はどのような見解を持っているのだろうか。天台宗は「布施」、日蓮宗は「慈悲」、浄土宗は「臓器をいただいた人が恩に報いる生き方をする」という理解のようだ。浄土真宗の、東本願寺は「原則反対」なのだ。日本の宗教はキリスト教とちがい、考えの違いがあって、それはそれで、素敵なことだ。

曹洞宗は、「仏教は臓器移植の是非に踏み込むべきではない、その人の悩みに寄り添うことが一番重要」と言っている。これが、一番よい考えのように思う。それにしても、A案があっさり可決したのには、本当にビックリした。脳死ということを、もっと真剣に向かい、考えるべきだと思う。」
by qzr02421 | 2009-06-19 17:14 | 日常